残-ZAN-  第三夜 偽りのドール 



6.死刑執行(2)




「ねぇデューン? さっきから泉の方の空が明るいんだけど……この辺りって白夜だったっけ? てかもしかして今夜は特別夜明け早いとか?」

窓際に置かれたソファに身を投げ出したままの状態でレイフィールはぼんやり外を眺めながら、少し離れた椅子に腰掛けるデューンにそう問い掛けた。
するとデューンは目を落としていた分厚い書物から顔を上げ、呆れたような笑みを浮かべてレイフィールの方を一瞥する。

「お前ついに自然の理も判らなくなったのか?」

そう言いながら悪戯に目を細めるデューン。
それをレイフィールはちらっと横目で見やった後、むうっと頬を膨らませた。

「違うよー!! てかデューンこそ眼鏡なんか掛けちゃって、こんな時だけインテリぶるの止めろよな!」
「ぶってんじゃなくてインテリなの。闘将たる者時に知将たれ。……てな」

そう言ってニヤリと笑ったデューンだったが、レイフィールの言葉を受けて外の景色を確認する為に立ち上がる。
そして読んでいた本を無造作に放り投げると、レイフィールの寝転がるソファの隣までやって来て、出窓から身を乗り出すように外界に目を向けた。

「……あん?」

とある一点に視線が達した時、デューンはセピアゴールドの瞳を細めて怪訝そうに声を上げた。

「ね? ヘンでしょ? オレンジだよオレンジ。朝焼けでも夕焼けでもないのにあんな色……大量自殺かなぁ」

うつ伏せのまま頬杖を付いて、レイフィールは何故か楽しそうに足をバタつかせた。
しかしデューンは大きな溜め息と共にレイフィールを牽制する。

「バーカ。光も無いのにどうやって発火すんだよ! あれヤベェぞ。俺行って来る!」

デューンは言うや否や着けていた眼鏡を外し、椅子に掛けてあった黒のロングジャケットを羽織って、勢いよく部屋を飛び出そうとする。
しかしドアを開けたところでピタッと動きを止め、小首を傾げるレイフィールを振り返った。

「そう言えばロイズは? 戻ってきたのか?」

険しい表情のままそれだけを尋ねる。
するとレイフィールは少し身を起こしてゆるゆると首を振った。

「それが今回は何の連絡も無いんだよね。どうなってんのかさっぱりさ」
「ふん。珍しく手こずってんのか。……まぁいい。留守頼んだぞ。お前そのまま寝たりすんなよ!」
「分かってますよ〜。それよりホラ。早く行った方がいいんじゃない? また燃えてる」

トロンとした目でレイフィールは赤く染まる空を指差した。
それを見たデューンが慌しく部屋を後にする。
その足音が聞こえなくなるまで、レイフィールはじっとデューンが出て行ったドアを見つめていた。
そして呟く。

「生き難い世の中になったよね、まったく」

勢いよく身を起こして、改めてオレンジ色に染まる景色を眺めるレイフィールの表情は、見た事もないほど鋭く引き締められていた。





辺りはいつの間にか大量の灰で溢れていた。
僅かな風でもそれは砂塵のごとく舞い上がり、宵闇の中を灰色のベールで覆うように飛散しては消えていく。
あれほど透明度の高かった泉も今や初めに見た姿を留めてはおらず、ゆらゆらと水面を漂う塵を含んで醜く濁っていた。

先ほどから身体が鉛のように重い。
時間を経るごとに荒く早くなる呼吸。
時折ぼやける視界が限界の近さを知らせている。
それでも、まるで衰える事を知らない男達の勢いに精一杯の抵抗をするよりほかに術は無かった。
目の前の男が灰と化すのを見届けてから、私はやや乱暴にワンドを地面に突き刺した。
そしてそれを頼りとして身体をもたれさせる。
もう何人を闇に葬ったのかも分からない。
周囲に散らばる灰がどの男の残骸で、どれほどの男達の残骸にあたるのか見当も付かない。

おかしな状況になっていた。
何人倒しても、何人斬り裂いても、男達は次から次へと数を増やし減る事は無かった。
あまりの人数の多さに、初めは魔法ボウガンで戦っていたリーディアも、これでは身体がもたないと、今では男から奪ったサーベルを手にしている。
だが彼女もまた私と同様にかなり疲弊しているようだ。
激しく肩を上下させながら頻繁に汗を拭う姿は、いつ倒れてもおかしくはない。

「キリがない……一体どうなってますの!」

背後を狙って飛び込んできた男を斬り捨てて、リーディアは苛立ちに声を荒げた。
無理もない。
斬っても斬っても相手は襲い掛かってくるのだから。
私達はてっきり、あのヘヴンリーの配下だと思われる男を葬った時点で片が付いたと半ば思っていた。
主導者を失えば、大群だけに統率力も乱れるであろうと。
だがそれはどうやら誤算だったようだ。
統率力を失うどころか、いつまで経っても男達の勢いは衰えず、私とリーディアを仕留めようと斬り掛かって来る。
その執着の強さは異常だ。
ここまでするほど“ロイズハルト”の勅命とやらは効力のあるモノなのだろうかと勘ぐりたくなるほどに。
ここまでして、私達二人を殺したいのだろうかと……。

「これではまるでアンデッド相手に戦っているようなものですわ!」
「アンデッド……って……まさか」

リーディアがふと口にした言葉に私は図らずも驚愕から絶句する。
悪い冗談だ。
アンデッドなどとは……太古から伝わる禁術によってのみ成し得るという魔物ではないか。
遥か昔に主体となる術自体が禁忌とされてから、その術を書き記した書物は全て焼き払われ、継承する者すら存在しなくなったと言われているのに、アンデッドなど……突飛な考えに思わず苦笑してしまう。

「さすがにそれは……思い違いだよ」

今や、その術を知る者すら数えるほどしかいないのだから。
息も絶え絶えながら、それでも否定の笑みが零れていく。
そんな私を一瞥してから、リーディアもまた苦笑いを浮かべた。

「例え……ですわ」

そしてべっとりと血糊の付いたサーベルを男の集団へと突き出す。

「とにかくここを片付けたらすぐ、カルディナを縛り上げましょう! あの女は何もかも知っているはずですわ!」

そう言うとリーディアは私の返事も聞かぬまま、いきり立つ男達の中へと飛び込んで行った。





コンコンとドアをノックする音が静かな回廊に響き渡った。
しかしいくら待ってみても、中からの返答は無い。
もう一度ドアに手を伸ばし、今度はやや強めにドアを叩いてみる。
それでもやはり答える者はいない。

「……」

しばらくその場に立ち尽くし、ふいに背後を振り返る。
泉とは反対側であるというのに、城壁が微かにオレンジ色を纏っていた。
それを見つめるアイスブルーの瞳も僅かにオレンジを含んで揺れている。
対照的にその身体はじっと何かを思案しているのか、ピクリとも動かなかった。
だが再びドアに向き直ると、今度は直接ノブに手を掛けて、それをゆっくりと右に回した。
カチャっと小さな音を立ててドアが開かれる。

「……」

新たに広がった視界の先はやはり真っ暗で、部屋の主たる者の姿はここには無い様に思えた。
窓には分厚いカーテンが引かれ、時折隙間から入り込んでくるオレンジの閃光だけが、室内を照らす光となっている。
その中を静かに息をひそめて踏み出した。
出来るだけ音を立てない様にゆっくりと。

「……」

例え漆黒の闇の中にあっても明るい陽の元同様に利く大きな瞳を周囲にめぐらせながら、室内を一つ一つ確認して回った。

「……いない……」

幾つ目かの部屋を確認した後、思わずそう声が漏れた。
だがそれを気にする様子もなく、最後の一部屋のドアに手を掛ける。
ノブを回そうとしたちょうどその時、中から僅かに物音がしたのを聞き逃さなかった。
瞬時にアイスブルーの瞳からはただならぬ光が発せられたが、口元からは何故か反対に笑みさえ零れているのだった。

「……」

一、二、三……。
心の中でゆっくりと数えて、そしてそれから最後の扉を開け放つ。
同時に室内を照らし出したのはオレンジ色の光。
部屋の奥で蠢いていた影を鮮明に映し出した。

「……誰?」

いつもとは少しだけ声色を変えて、それでもなるべく穏やかにそう尋ねると、影は一瞬ビクッと体を震わせて一切の動きを止めた。

「留守中に勝手に入ったらまずいんじゃないの? ……カルディナ」

一向に動こうとしない影に痺れを切らしてそう問いかけてみれば、ゆっくりと影がこちらを振り返る。
そしてまた入り込んだ光に、対照的な表情で対峙する二人の姿が浮かび上がった。
その時初めて驚愕に震える女の姿が、アイスブルーの瞳に映った。

「……レイフィール様……」

掠れ声でうわ言の様に呟く女。

――カルディナだった。

自分の名を複雑な表情で呼んだカルディナを、レイフィールは冷やりとした笑顔で見つめている。
だがすぐにレイフィールは彼女から視線を外すと、部屋の中央にあったアンティークのランプに火を灯し、にっこりと微笑んでみせた。
真っ暗だった部屋を、ランプの灯りが柔らかく照らし出す。

「明かりも点けずにどうしたの? ロイズまだ帰って来てないんでしょ?」

先ほどまでの様相とは打って変わっていつも通りの人懐こい笑顔を見せるレイフィールに、警戒し身を硬くしていたカルディナは幾分胸を撫で下ろしたようだ。
レイフィールの耳にも届くほど、大きな溜め息が聞こえてくる。

「申し訳ございません。実は……先日この部屋で大切な指輪を失くしてしまいましたの。失礼かとは思いましたがどうしても諦め切れなくて……」

片手で口元を覆い、レイフィールから目線を逸らして、カルディナは非礼を詫びた。
それをレイフィールはただじっと見つめている。

「ふーん。それで見つかったの? その指輪」

依然として笑顔を湛えたままのレイフィールがそう問い掛けると、カルディナは首を振って再び周囲を探り始めた。
あんな暗闇の中で探し物など端から見つかるわけがないと冷めた感情が心の奥で渦巻いたが、それでもレイフィールはカルディナの行動を笑顔で見守っている。
だがふいに彼の瞳が何かを捉えた様にきらりと輝いた。
動きを止めていた身体が、音も立てずにすっと動き出す。
探し物に夢中になっているカルディナはそれに気付いていない。
けれど次の瞬間にはレイフィールはまた元の位置に戻っていた。

「……何なら手伝うけど? 暇だし」

そしてまたしばらくカルディナの後姿を見守ってから、レイフィールは彼女の背に向けてそう問い掛ける。
するとカルディナは手を止めて振り返ったが、その申し出を必要ないと拒んだ。
わざわざそこまで手を煩わせるほどの代物ではないと。
それは彼女なりの謙遜だろうが。

「そっか」

だが必要ないのならこれ以上食い下がる事も無い。
答えを聞いてまた無邪気な笑顔を浮かべるレイフィールは、ふっとカルディナに背を向けた。

「じゃあ僕は行くね。何だか外が騒がしいみたいだし」

顔だけをカルディナの方に向け、笑顔はそのままに声のトーンを落とす。
すると見送るカルディナの顔に一瞬の不審が浮かび上がった。
けれどあえてレイフィールは気付かない振りをして、そのまま踵を返すとさっさとロイズハルトの部屋を後にする。
ひんやりとする回廊の空気に触れながら、レイフィールは一度だけカルディナの残る室内を振り返った。
そしてそっと握り締めた左手に目を落とす。
赤い紙切れに途切れた黒い文字。
氷のように冷たく輝く二つの瞳が、ゆっくりと伏せられた。





ワンドの先から白い閃光を何度も何度も放つと、それは瞬く間に大きく炸裂した。
白魔法の中でも一番威力の弱い魔法。
それでもただのハイブリッドが相手ならば十分すぎるほどの威力を発揮する。
その証拠に閃光の走った後には無数の灰の山が積み重なっていた。
僅かな風にもそれは舞い上がり、その度にむせかえる。
だいぶ数は減ったが、それでもまだ私達と向かい合う男達の姿はかなり多い。
減ったと思えばいつの間にか数を増やし、また減ったかと思えば……その繰り返しだ。
どいつもこいつも同じ方向からやって来るようだが、あの先にアジトでもあるのだろうか。
たかだか私とリーディアの二人を葬る為だけにこんなに大量のハイブリッドが一同に会していたとは、俄かに思い難いが。

「ねえ……リーディア」

切れ切れになる息を整えながら、私は少し前でサーベルを構えるリーディアに声を掛けた。

「……なんですの?」

振り返らないまま答えるリーディアも先ほどに比べて肩の上下が激しくなっている。
かなりの体力を消耗してしまっているようだ。
振り返る余裕すら、今の彼女には無いのかもしれない。
それでも、私は構わず話を進める。

「あのさ……リーディア。このままじゃ私達根負けするよ……。それよりも……元凶を探ってみない?」
「……元凶……ですか?」

そこで初めてリーディアは私を振り返って怪訝な顔をして見せた。
言っている意味が分からないのだろうか。
まあ、これだけ言葉少なな問題提起ではそれも仕方の無いことだと思うが。
焦る余り趣旨を要約し過ぎてしまったと、私は少しばかり苦笑する。

「こんなに大人数が控えてるなんて……それも絶えず増えていくなんておかしいと思わない?」

相手には聞こえない様になるべく声を潜めてそう言う私に、リーディアは何かを思案しながら、懲りずに斬り掛かって来る男に向かって十字にサーベルを振るった。
新たな灰の山がまた彼女の前に積み上がる。
それを冷たい眼差しで見つめながら乱れた髪を適当に払い除けるリーディアだったが、私の方に向けたのはいつもの柔らかさを含んだ微笑。

「私も……同じ事を思ってましたの。ちょうど体力もそろそろ限界ですし……こんなに次から次へと来られては、やはり私アンデッドではないかと疑いたくなっています。……それにほら、ご覧になって?」

リーディアはそう言うと、黒く揺らめく泉の水面をサーベルの先で指し示した。
それに合わせて私もそちらへ目を移す。
私とリーディアが突き落とされた以外は……特に変わった様子も無さそうだったが、リーディアは眉間に皺を寄せてじっと水面を見つめていた。

「影ですわ」
「……影?」
「ほら、水際に立っている男達の姿は確かに水面に映っているでしょう? でも……」

そこまで言うとリーディアは一度言葉を切って、迫り来る新たな男に狙いを定めた。
そして叫ぶ。

「影をご覧下さいッ!!」

思いっきり後方に引いたサーベルを勢いよく繰り出し、男の心臓を躊躇うことなく刺し抜いた。
貫かれた心臓から真っ赤な血を噴き出して、ハイブリッドの男がリーディアの前で絶命する。
だが灰になるのを待てないといった風に、リーディアはぐらりと傾く男の身体に蹴りを入れながらサーベルを素早く引き抜いた。
そしてすぐさまあの魔法ボウガンを利き手に装着すると、何を思ったか天に向けて魔法の矢を何発か射る。
空高く打ち上げられた矢はしばらくすると、暗い暗い夜空を照らすようにボンッと何度か弾けた。
ほんの僅かな間だけであったが、辺りの景色に光が差す。

「……あッ!?」

影……影……と心の中で思いながら、私は瞬きもせずに男達の足元を凝視していた。
そして魔法の光が降り注いだ時も。

「どういう事?」

そこにあるはずの黒い影が……ほどんど見当たらなかった。
男達の影だけ。
私とリーディアはもちろんの事、周囲に生い茂る木々や水面に漂う落ち葉に至るまで、突然の光を受けて一瞬の影を生じさせたというのに、後を絶たないハイブリッドの男達には全くと言って良いほど影を引きずる者はいなかった。

「姿映れど影は居ぬ……アンデッドですわ!」

赤い瞳を鋭く細めたリーディアの額から、一筋の汗が零れ落ちた。





激しく殺り合う喧騒が先ほどから耳をずっと突いていた。
オレンジの光は未だに空を染めては消える。
それに混じって今し方、白い閃光が弾けたのをデューンは足を止めて見上げていた。

「ハンターか……それともハイブリッドの内輪揉めか……。さてどっちだ?」

背丈ほどもありそうな大剣を片手に持ったまま、周囲をぐるりと見回してデューンは人知れずニヤリと笑った。
闘将たる者の本能か……耳をつんざく喧騒に、只ならぬ様相に、しばらく眠っていた血が騒いで仕方なかった。

「さーてどっちに行くか」

城を飛び出してからは真っ直ぐに泉の方を目指してはいたが、ここへ来る途中で少し気が変わった。
今彼の中にある選択肢は二つ。
このまま泉へ行くか、それとも……。
そう思いながらめぐらせた視線の先は泉のさらに奥。
争いは恐らく泉付近で起こっているのだろうが、近付けば近付くほどにひしひしと感じるこの不穏な空気は泉のさらに奥から発せられている様な気がしてならない。

「目先の小競り合いよりその後ろの大ボスを叩くのが先決か」

独り言のように呟いて、再び大剣を鞘ごと担ぎ直した。
暗闇の中、セピアゴールドの瞳に光が宿る。
その瞬間、デューンは力強く大地を蹴ると、疾風のごとく夜の闇の中を駆け抜けていった。





「強行突破」

私とリーディアの意見はすぐに同時に一致した。
いかにこのハイブリッドを装ったアンデッドの群れを切り抜けるか。
まずはそこが第一関門だろう。

「このまま全部を相手にしてたってこっちがやられちゃうもんね! やっぱ走るしかない」
「そうですわね。この状況ではそれが一番ですわ」

私もリーディアももはや限界近かった。
荒く浅い息はなかなか整わないし、ずぶ濡れになった身体は動きを止めればすぐに冷えてしまう。
今はまだ動いているから何とかなっているものの、少しでも気を抜けば倒れてしまいそうなほど、足も身体もふわついている。
加えて私は貧血に悩まされ、少しは回復したとは言ってもなおも回り続ける視界にいい加減根を上げてしまいそうだった。
それでもこうして戦い続けているのは生きる為だ。
自分に負けて地に倒れればそこで命は尽きる。
誰の仕掛けた罠だったのかも知らぬままに。

「それにしても……随分手の込んだ嫌がらせでしたわね。女の嫉妬とはまこと……恐ろしいですわ」

あえて言葉を濁して厳しい笑顔を浮かべるリーディアに、私も思わず苦笑した。
今夜のこの“宴”にドールであるカルディナが関与している事はすでに露見しているが、果たしてどのようにどこまで関わっているのか、それが核心となる。

「アンデッドの禁術はカルディナごとき女に出来る芸当ではございません。気を引き締めて参りましょう」

リーディアのその言葉を合図に、私達二人は顔を見合わせ頷くと、男達の群がる中へと突っ込んで行った。
ただ通り抜ける妨げになる者のみを斬り払い、魔法で一掃する。
そうして駆け抜けた先に何が待っていようとも。

夜明けはまだ……遠い。





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